散骨の手続きは?費用はどのくらいかかる?
散骨とは
火葬した骨を自然に返す
散骨とは文字通り「骨を撒き散らす」埋葬方法です。
撒き散らすという表現はよくないかも知れませんが、火葬した遺骨を細かく粉末状にしたうえで撒く形となります。
従来の埋葬方法のように墓地に納骨する形ではなく、骨を自然と一体化させる点が最大の特徴です。
人間は自然から生まれたので最終的には自然に還すのが自然と考える人も増えています。
ただ現在では散骨の定義はより広くなっており、非常に幅広い形で行われる機会が増えています。
海外では好きなスポーツチームのグラウンドに撒く、さらには宇宙に撒くといった散骨方法が行われて話題になることもあります。
とはいえほとんどのケースでは海や山といった壮大な自然環境に撒かれています。
この散骨が注目されるようになったのは90年代ころからです。
21世紀に入って世界的に広がるようになり、日本でも憧れる人が増えています。
どうして散骨が注目されているのか?それには現代社会ならではの事情が見て取れます。
散骨が注目される理由
・自然への憧れ
→自然とかけ離れた環境で暮らすことが増えた
・日本ならではお墓事情
→狭いお墓しか用意できない、屋内の納骨スペースを利用せざるを得ない
・経済的、家庭の事情でお墓を維持できない
→死後に管理が必要ない点が魅力的
・思い入れがある山や海などに散骨
→死んだ後もその地と縁を持ち続けたいと希望
全ての骨を散骨する事は少ない
日本をはじめ先進国で暮らす人たちはあまりにも自然とかけ離れた環境で日常生活を送るようになっています。
そのため自然とつながりたい、自然と一体化したいとの願望を持つ人が増えているといいます。
また死んだ後までコンクリート製の墓地に埋葬されるのは避けたい、それでは死んだ後まで現代文明に束縛されてしまう気がする、
との思いから散骨に憧れる人が増えているのです。
それから死んだ後まで窮屈な思いをするくらいなら散骨のほうがよいと考える人もいるわけです。
なお、散骨といってもすべての遺骨を撒くのではなく、基本的にはお墓に埋葬しつつ、一部の骨を散骨するケースもよく見られます。
ただ散骨にはいろいろな問題点がともなっているのも事実。
日本では憧れている人が多い一方で実際に行うケースは限られているのが現状です。
散骨を考えている方は周囲に迷惑をかけずに行うことができるか、そのためにはどんな準備が必要なのかなど事前にしっかりとした情報収集が求められるでしょう。
散骨とは
- 散骨とは火葬した遺骨をお墓に納めずに、個人が希望していた場所に撒くスタイルの事
- 日本では海や山などの自然が多いが、海外では好きなスポーツチームのグラウンドや宇宙に撒くこともある
- 充分なお墓が用意できない、お墓の維持管理が大変、思い入れのある場所で眠りたいなどの希望から選ばれることが多くなった
- 火葬した遺骨を約2o程度にまで砕き、個人が希望していた場所に撒く
- 基本的に遺骨の殆どをお墓に納骨して、一部を散骨するケースが多い
- 準備や手続き・費用が周知されていないので、実際に行われるケースはまだ少ない
散骨の手続きと費用は?
どこに撒くか遺族が行うかで費用が異なる
遺骨を細かく粉状にしたうえで海や山などに撒く「散骨」。
21世紀に入る頃から注目を集めていますが、いざ実際に行っているケースはごく稀です。
散骨の手順の疑問
・どこに相談・依頼を持ち込めばよいのか?
→散骨を扱っている業者を探す
・全ての工程を業者に任せるか、一部の工程だけ任せるか
・それぞれの業者のプランをしっかり確認
→散骨の為には粉骨という作業が必要になる
火葬後の骨を砕く作業は遺族では精神的に難しい
・どこに散骨するのか
→故人に特定の場所の希望があった場合、遺族だけで行くには日程・費用的に難しい場合も
まだ一般的になじみがないというのも理由として挙げられます。
もうひとつそもそも実践しようにもハードルが高い面も挙げられます。
散骨をしたいと思ってもどこに相談・依頼を持ち込めばよいのでしょうか?
この点で躓いてしまうことが多く、自分が散骨を希望するしろ、故人の遺志に基づいて実行するにしろ事前の情報収集と準備が欠かせません。
散骨を扱っている業者には、すべての業務を代行してくれる業者と一部の業務を代行してくれる業者のどちらかを選ぶかも大事なポイントです。
粉骨作業は遺族に精神的な負担が
内容によっていろいろなプランを用意している業者もあるのでホームページなどでよく確認しておくようにしましょう。
どうしてこの点が重要なのか?それは散骨の際には粉骨作業が絶対に必要になるからです。
粉状で撒くと書きましたが、だいたい2ミリメートルの程度のサイズになるまで粉骨するのが原則です。火葬した後に行います。
自分で行うことももちろんできますが親族の骨を砕くのは精神的な面で厳しい部分もありますし、本人が散骨を希望する場合も遺族に「自分の骨を砕いてくれ」と頼むのはためらうものです。
ですから最低限粉骨作業は業者に依頼することになります。
どこに撒くかで日程や費用に差が
問題なのはその先です。実際に散骨する作業はとくに面倒なことはなく遺族が行うことも十分可能です。
遺族だけで行えば当然業者に依頼するよりも費用は安く済むわけです。
しかし故人の希望によってはなかなか難しい部分もあります。
特定の海や山に散骨して欲しいとの故人の遺志がある場合
そこまで赴くのが大変なケースもありますし、交通費の問題も出てくるでしょう。
散骨のために泊りがけのちょっとした旅行をしなければならない状況では遺族だけで行うのは難しいものです。
そんな時には業者に依頼するのが一番確実です。
ですから粉骨から実際の散骨まで依頼する場合には5万〜10万円程度といったところ、
粉骨作業だけなら2〜3万円程度で依頼することが可能です。
ただ先ほども触れたように散骨する場所によっても異なります。
海に散骨する場合でも東京湾と沖縄では交通費などの費用に大きな差が出てくるわけですから、最終的な金額は状況によって決まります。
そのほかの手続きは火葬と葬儀を行うための死亡届、死亡診断書、火葬埋葬許可証などの一般的なものが必要です。
それ以外とくに難しい手続きはなく、どのような形でどこまで散骨を行うかがポイントとなるでしょう。
散骨に必要な手続きや費用
- 火葬した遺骨を約2o程度まで砕いてから、個人が希望していた場所に撒く
- 遺骨を砕かないといけない精神的負担や、散骨場所までの費用面への負担などが遺族にかかる
- 粉骨から散骨まで請け負う業者もあり、全て依頼した場合の費用は5〜10万円程度
- 散骨のみの場合の費用は2〜3万円程度
- 散骨に必要な手続きは、一般的にお墓に納めるのと同じく、死亡届、死亡診断書、火葬埋葬許可証など
散骨は違法?散骨の注意点とは?
1991年時点から法的問題は無いと見解
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散骨に関しては違法ではないかとの意見が一時期大きな問題となりました。
遺体の埋葬に関しては法律で一定の規定が設けられているものの、散骨に関しては触れられていないのです。
そもそも散骨が注目を集めるようになったのが90年代に入ってからですから、法律のほうが追いついていない面もあるのです。
ですか純粋に法律に反しているかどうか?という問いに関しては「違法ではない」と言えます。
実際のところ1991年の段階で当時の法務省が散骨について「節度を持って行えば違法ではない」との見解を示しており、
少なくとも違法ではなく、散骨そのものに対して法律的な観点で問題が起こるといったことはありません。
法律以外で問題になる注意点
注意点 | どんな問題が起きるか |
必ず粉骨したうえで撒く |
・粉骨せずに火葬したままの状態で巻くと遺体遺棄容疑で刑事事件に発生してしまう恐れ |
法律ではなく条例に触れないか |
・一部の自治体では条例で散骨を禁止するケースが見られるようになっている |
散骨したい場所の所有権の問題 | 他者が所有している土地に許可なく散骨すると裁判問題に発展してしまう可能性 |
散骨が違法なのかどうか以前の問題で、正しい形で散骨を行う状況を整えておかないと法律に触れてしまう可能性があるわけです。
遺族が自分たちで粉骨することもできますが、精神的に厳しい面もあるので業者に代行してもらうのが一般的です。
散骨が決まってる場合は事前の情報収集を
散骨が注目を集めるようになっていますが、やはり遺骨を撒く行為にはマイナスイメージが伴うのも事実です。
特に観光名所など人が多く訪れる場所や子どもに人気のあるエリアでは条例で禁じているケースが見られます。
また手続きは行う場所によって必要かどうか決まってきます。
故人の遺志で散骨する場所があらかじめ決まっている場合には、手続きと許可が必要かどうかを必ず確認しておきましょう。
意識して他人の土地に散骨する人は少ないと思います。
しかし私有林など土地の所有権を意識せずに散骨してしまうケースも考えられます。
この点も事前に気をつけておきたいところです。
このように散骨そのものは違法ではありませんが、適切な形で行わないと法律・条例に触れてトラブルを起こしてしまう可能性も出てきます。
この点からも事前の準備と情報収集を欠かさないようにしましょう。
散骨の問題点や注意点
- 1991年に当時の法務省が散骨は法律上の問題は無いことを明らかにしている
- 散骨の希望場所によって条例に触れたり、所有者の許可が下りない、2o以下に砕かず撒くと遺体遺棄容疑になるなどの問題はある
- 散骨が決まっている場合は、撒いても良い場所か、土地の所有者と確認しあうなど、事前にしっかり情報収集を行う